終わった話

経過した事物

2022.02.03

毎朝、目覚めたらまず最初にお湯を沸かす。

意識の高低どうこうでなく、単純に部屋が寒いので。火が見たくなって。

いつも、あらかた支度し終わったあとに沸かし直してコーヒーを淹れるのだけど、今日は沸かし直すのを忘れてぬるいお湯でコーヒーを淹れてしまった。

おそるおそる飲んでみると、後味がぽっかり抜けたコーヒーになっていて、手を抜いた分がそのまま抜け落ちたようでなんだかおもしろかった。

うっかり味のコーヒーだ。さっぱりしてて、そんなに悪くもない。

 

定時後、いつもうっすらムカついている職場の教育係の先輩にとうとうキレてしまって慌てた。

そそくさと退勤して、駐車場の車中で我慢できない怒りと我慢できなかったことへの落ち込みが同時に発生して混乱した。

私は激情が一旦落ち着くと今度は、相手にも悪いところがないことはないだろうけど、我慢できない私が全然だめ、今後社会に適合することはないでしょう……というように落ち込んでしまいがち。

そしてその反動でまた、いやいややっぱり相手が悪いだろ腹立つイラつくなめてんのか?と激情して、この反復でぐったりしてしまいがち。

気を取り直すぞ、と気を取り直し、私の怒りは私のものだし、相手も私もどっちもどっちよ……などと脳に直接語りかけて気を取り直した。

この状態からの即日の回復は珍しく、学会発表レベルです。たぶん賞取れると思う。私しかやってない学問なのでここにメモしておきます。

 

家の台所には窓がついていて、私はよく単身者仕草として台所の作業スペース(いま調べたらワークトップというらしいです)をテーブル代わりにして飯を食っていて、いつも座って向かっている台所の窓の方角が恵方で、少し嬉しく思った。

今年は毎日恵方を向いて飯を食うことになるらしい。わびしいけど、いいことありそうじゃん。

いつも通りに恵方を向いて恵方巻を食べて、恵方巻きを食べた後の口の中の後味は法事の後の会食の後の口の中の後味に似ているな、と思った。