終わった話

経過した事物

2022.01.29

二日酔いの気怠さを水に流すように風呂場でゴミ箱をまるごと洗って、その勢いで部屋全体を掃除した。

カーペットをひっぺがして掃除機をかけたのは久しぶりで、もしもいま願いが叶うなら、もっと吸引力のある掃除機が欲しい。

風呂もトイレも一気に洗って、シーツもクッションカバーも洗濯して偉かった。これは偉業の記録として書き残しておく。


声をかけてもらって、友だちとお喋りした。

ぽつりぼつりと仕事の話をして、まんまと癒やされて、高校の最寄り駅の駅前の謎のインドカレー屋で駄弁っていた私たちがなんでここでこんな話してるんだろうね不思議だねって、いつも言ってしまうし、いつまでも不思議だ。

教員になった友人の発する言葉は会うたびにどんどん先生らしさを纏ってきていて、それが立派で格好良く見えて、自分もすこし頑張るか…という気分になる。

もう少しだけ話をしたくて向かった2軒目の喫茶店は母の母くらいの世代の「カワイイ」が詰まったようなファンシーな内装で、出てきたパフェは生クリームとアイスクリームが山盛りで、休みの日じゃないと居られないような空間で休みの日じゃないと食べられないようなものを食べながら、到底仕事の話どころではなかった。

 

入浴によりいっそうのリラックスを求めてドラッグストアに入浴剤を探しに行き、事前に思い浮かべていた1包150円くらいのおしゃれな入浴剤たちへのあこがれは、どどんと陳列された12包348円のバブをみた瞬間に白旗を掲げてしまった。

日本の入浴剤市場はバブが占拠している。ということは、入浴の習慣がある国は限られているはずなので、もしかすると世界の入浴剤市場もバブが占拠しているのか、、、?

バブを入れたお湯は心なしか、少し暖かさが持続するような気がした。

追い焚き機能のついていないアパートの浴槽で、人体に熱を奪われてお湯がぬるくなるまでのあの切ない時間が、ほんの5分くらい伸びるような気がしている。