終わった話

経過した事物

2022.01.22

はじめての美容室で髪を切ってもらった。

担当してくださった美容師さんは斜めに切った前髪がとてもよくお似合いで、雑談の流れで「前髪が片側だけあがって跳ねる癖があるので、その癖に合わせてエイヤ!と短くしているんです」と教えてもらって、それはとても素敵なことだな、と思った。

私達はそれぞれに均平でなく、だからこそ自分に合うかたちというものはきっとあるんだろうと思う。自分でそれを探したりつくったりできる人はすごい。

お客さんが趣味で作られているらしい綺麗な器が破格のお値段で売られていて、2枚買って帰った。

なんでもご自宅に窯をお持ちで、どんどん焼いてしまうのでどんどん人手に渡ってほしいらしい、とのことだった。

趣味でつくるってこういうことなんだな、とちょっと思い知らされる。

 

あるときふと髪を染めるという行為に納得できなくなって、それから今に至るまで数年間を素髪で過ごしているんだけれども、美容師さんの素敵な髪色を見ていたら、もしかすると染髪は化粧みたいなものなのかもしれない、とハッとした。

なりたいようになるための行為、あるいはそもそもの身だしなみ、そもそも装いとはそういうことなのかもしれなくて、それに気付かなかった(無頓着だった)自分が恥ずかしい。

あるいは今日がちょっとあたたかい日だったからかもしれない。

顔を塗装することに抵抗はないので、髪も塗装してもいいのかもね、と思うに至るだけの条件が偶然にも揃っていたというだけのこと。

 

すこし外に出ただけでまた頭が痛くなってしまって唖然としたけれども、無理をせずに家で過ごしていたら夜には回復したので安心した。

有り物で手癖で作るお好み焼きに冷凍庫で凍り続けていたタコを刻んで入れたら、思わぬ風味が出て嬉しかった。

浴室でお湯は今日も凪いでいた。