終わった話

経過した事物

2021.12.29

先輩の卒業式ぶりに先輩に会った。

 

地元でいちばん大きなショッピングモールに集合して、レストラン街の中の地元の名前が屋号になっている蕎麦屋で暖かい蕎麦を食べて、3つあるチェーンのカフェのうちの1つでコーヒーを飲んで、タワーレコードでCDを物色して解散した。

学生時代の私たちは互いの存在を知らずに同じ地元を出て同じ街の学校に進学していて、(つまりはそこで出会って、)そこはもう互いに認めるところの素晴らしい街で、いまこの地元の仮想の街で再会していることがなんだか不思議に思えた。

 

やっぱりCDが好き、と話す先輩の隣に並んで久しぶりに歩くタワーレコードの棚はやたらに輝いて見えた。

「総合」という名のついたベストアルバムが出たということはバンドはまた活動を辞めてしまうかもしれないということらしくて、一方の私はバンドが活動を再開したことすらまだ受け止め切れていなくて、またぼんやりしている間に全部が変わっていく、と思った。