終わった話

経過した事物

2021.05.09

睡魔を小分けに排出しているような睡眠。

昨日よりは幾ばくかすっきりと目覚めた。

ぼやけた意識のまま、シンクに乱立しているペットボトルタワーの解体工事をして、新しいまな板をおろしてみそ汁を作って飲んだ。

産直で買ってきた手作りのまな板は、まさしくまっすぐな板、といった佇まいでちょっと背筋が伸びる。

木目がギターの弦みたいにピンとしているのに、なぜかあまり包丁に障らなくて不思議だ。

香りがどこか乳くさいのも不思議だった。まな板の赤ちゃんだからだろうか。

 

予約していた見知らぬ美容室に行って、前髪を1cm、サイドを1.5cm切ってもらった。

店を出てすこし歩いて、お兄さんに言われた通りにもうすこし梳いてもらってもよかったかもしれない、と思った。

このところ、ずっと微調整をやっているような気がする。

たとえば聞き方とか、話し方とか、サイズ感とか、座り心地とか。

微かにやる分には大きな差異は生じなくて、それだけにいつまでもやってしまう。

もどかしいけれども、焦らず気が済むまでやるしかないなと思う。なにかバチッとハマる瞬間を求めているんだろうと思う。

 

ショッピングモールに友だちを呼び出して、お茶をして専門店街をひやかして回って、目当てのものは買わずにドーナツを3つ買って帰った。

夕方から夜にかけて好きなアーティストのライブ配信がいくつかあったので、ドーナツを食べたり酒を飲んだり途中で散歩に出たりしながら拝聴する。

遠くに住んでいる趣味の合う人と同じ配信を観ながらメッセージのやりとりをして、客体としての音楽を体感しながら自らのコミュニケーションもするということはこれまでの方法論では不可能だったことなので、すこし不思議。

IFのSFに生きているなと思う。並行世界でも、お元気でしょうか?