終わった話

経過した事物

2021.05.03

GWだからか、家族でドライブをした。

山一つ越えた向こうの地には田ばかりあって、山桜をたたえた小さな山がぽこぽこといくつもそびえていて、その隙間を埋め尽くすようにびっしりと杉の木が生えていた。

1000円程度のランチを食べて、産直に寄って地物の買い物をして、でかい景色を見て、地元のスーパーをひやかして帰った。

私は、杉の木でできたまな板と地元の味噌と地元のつまみを買った。こういう買い物のことがかなり好きだ。貼られたラベルを見ていて、それを貼った人たちの生業がなんとなく浮かび上がってくるようなもののことが好きだ。

 

帰宅して、山にあたる夕方の光の加減がたまらなくよくって、久方ぶりに散歩をした。

解凍されて乾燥された犬の糞を避けながら歩く道は、補助輪のついた自転車を押して歩いていた頃の体感に比べてずいぶん距離が短くなったような気がする。すこし目線が上がったからかもしれない。

沿道にほころびはじめた果樹の花がいちいち綺麗で、かわいく、あかるかった。

どれもこれも写真におさめることはできなかったが、光を肌で体感できたことをうれしく思った。