終わった話

経過した事物

2021.03.20

休暇に辿り着き、ぐったりしている。

いつまでも寝ていたかったが、強固に確立された生活リズムのせいで普段通りの時間に起きてしまった。

身体(あるいは脳)のリズムに従っていつも通り散歩をした。私はだるいが朝日は明るくて、すこし元気が出る。

コンビニでアイスカフェオレを選べる季節になった。木々の隙間から光が漏れ出ていた。近所の子どもにこんにちはと挨拶されてこんにちはと返した。路傍の石を拾って家に持って帰った。

 

引っ越しの段取りを進めるごとに、日程のあやうさが明らかになっていっている。

すこしでも今後の状況をスムースにするため、また、焦る気持ちを落ち着けるために、ひたすら手を動かして物を捨てた。

ぐちゃぐちゃした生活を送っていたころのものはぐちゃぐちゃしていて、心身共にこれを捨てられるタイミングを迎えられたことはよかった。

しかし果たして私は、数日以内に数百kmの移動を果たすことができるのか?顛末は神のみぞ知る。私の神は私のはずなのに…。

 

夜にはまた地面が大きく揺れた。

揺れた瞬間、車を運転している最中であろう友人が思い当たったので連絡をとると、彼女はやはり動揺していた。災害時特有のあの緊張状態は、すこしでも死の恐怖を感じた瞬間に起こるのだなとわかった。

私も本震ではさほど動揺しなかったのに、ぐらっぐらっと何度も断続的に揺らされているうちに落ち着かなくなってしまった。

 

休みたいがなかなか状況が許してくれない。

罪に対する罰ではないので、特に許しとかはないのですが。