終わった話

経過した事物

2021.03.14

一日中、しとしとと雨。

止むのを待ってから散歩に行こうとしていたが一向にその気配はなく、帽子をかぶって撥水のジャンパーを羽織って小雨の中を押し通った。

路上に動物は人を含めてまったくいない。植物も眠っているかのようだ。水面だけが踊っている。

綺麗だ、と思って写真を撮ったけれども、紋様をうまく撮ることができなかった。

もやもやした光の中でもやもやしたものを撮るのは難しい。

 

動物はみんなそうなのかもしれないけれども、濡れると疲れる。

ジャンパーのおかげで実際には濡れていないはずなのに、落ちる水を受け留めていただけで随分と皮膚が疲れた。

熱めのシャワーを浴びてビールを飲んで、悪辣な音楽を聴いているうちに元気を取り戻す。

夜には仕事帰りの友人が訪ねてきてくれて、ごはんを食べてお菓子を食べてお喋りをした。

(思いがけずしっかりとホワイトデーをやれてうれしい。)

 

チラチラと窓の外を気にしていた日中よりも、カーテンを閉めてからの方がかえって生き生きとできた日だった。

生きているとちょっと疲れるけど、生きていること自体は楽しいなと思う。