終わった話

経過した事物

2021.02.15

早朝から気温が高くて湿っぽく、田植え前みたいな気候だなぁなんて呑気に思っていたが、すぐにどしゃどしゃの雨が降って呆気に取られた。
雨雲で覆われた暗い空を眺めながら蛍光灯で照らされた温かい室内で複数人で仕事をしていると、なんだか不思議に高揚してくる。
きっと、縄文時代に洞窟に詰め寄って外の様子を窺っていた頃の血の記憶がそうさせるんだと思う。
清廉な現代社会においては不必要な生的反応。

 

爆弾低気圧とのことで、言われてみるとたしかに職場もSNSも爆撃を受けている人で溢れかえっている。
流れ弾を避けながら早々に塹壕(家)に戻り、鍋いっぱいにカレーを作って籠城した。
カレーは偉大なのでつくって食べたらまんまとテンションが上がり、普段日記に書いているような瑣末な出来事は全て忘れてしまう。もしかして私は、つべこべ言わずに毎日カレーを作って暮らせばいいんじゃないか?

いつから平穏それ自体に不安をおぼえるようになってしまったんだろう。そろそろ安心して、肩の力を抜いて暮らした方がいい。いつまでも厳戒態勢を続けているとおかしくなってしまう。

 

Maltine recordsから出ているokadadaさんのEP、『D is for Dance』のイントロで冒頭から「自己表現とかクソッタレ そんな暇あるなら make a party」という文言が繰り返されていて、心底格好いいな〜と思った。

すこし調べてみたらこれはECDさんの曲からのサンプリングらしい。ECDさんの作品は『失点・イン・ザ・パーク』というエッセイしか読んだことがなかったけれども、音楽そのものに触れるタイミングかもしれない。

運命があるとしたらそれは文脈だと思っているので、こういう繋がりのことをとても信用している。サンプリング文化のこと、もしかしたら好きになるかもしれない。