終わった話

経過した事物

2020.12.13

自分を舐めていた。

トリガーを引いて、いとも簡単にパニックになってしまった。

心臓がはやくて到底眠れそうにない。


朝早く起きてタイヤ交換に行けたことも、町のミニシアターで映画を見られたことも、その後にパフェを食べたことも、それらの場所を教えてくれた町の案内所のお姉さんによかったですのご報告をしに行ったことも、全部砂になった。

 

いや、いまこうして書くことで取り戻している。私の1日は確かに私のためにあった。

でも、行動とは裏腹に、思考では引き金に手をかけては離すことを繰り返していた。

ある瞬間、今だ撃て、と言われたような気がして撃って、その瞬間まで銃口が自分の頭に向かっていることに気付かなかった。


もちろん血が流れるわけはないが、それでも頭から何か溢しながらベッドに横たわっている。

逃げてきた、ということを忘れていた。そして思い知らされた。

こんな屈辱はなく、わたしはまだあの体験から充分な距離を取れていない。


無理をしない。休む。許してください。