終わった話

経過した事物

2020.12.11

退勤時刻に近づいた夕方、今夜のオンライン飲み会の開始時刻が伝達され、したがって参加した。

リモートの集まりの予定を当日に知らされることに動揺するのは、電波を通じて会うことが仮想現実ではなく現実だと認識できる実感が増しているということかなと思う。

そわそわして、地元の酒屋で異国のビールを買って帰宅する。

 

大学のときに所属していた民族音楽サークルのOGの4名で集まってお酒を飲んだ。

めいめいの愛している家具や、装飾や、小物や、小鳥や、植物を見せ合い、褒め合った。

ストーブに給油して、アルコールを補充して、やめどきをわからずに時間を更かす。

 

みんなうつくしくて素敵だ、と思う。

欲しいものをあきらめず求め続けるところが美しさの秘訣なのかもしれない。

眼の奥がぎらぎら光っている人のことを魅力的に思う。こわいくらいに。

誰一人欠けずにぜったいにずっと燃えていてほしい、と思った。

 

解散後、SNSをひらくと、すぐに眠っているような人もいれば、なかなか寝付けなさそうな人もいる。

孤独に寄り添うことなんてやっぱりできないよな、と安堵した。

不謹慎で不誠実で不愉快だが、人の存在を灯台のように捉えると気が楽になる。

どこか遠くで光っていることと、水面にうつろう光だけが見える。

しばらくそうしていると、これはすごくさみしい行いなんじゃないかと我に返り、灯台に近づかなくてはいけないような気がして焦るけれども、同時に、中に入ってしまうと途端にその光が見えなくなってしまうことを知っている。

まだ灯台守にはなれそうもない。