終わった話

経過した事物

2020.11.27

一昨日しこたまお酒をのんでからというもの、身体がだるくて、朝、なかなか布団から這い出せない。

日記もPCで書かずにスマホでサッと書くのみにしている。

やらないよりはやる方がマシだろうという心持ち。


出勤時、崎山蒼志さんの『五月雨』『国』を聴き、詩のあまりの美しさに、頭の底からさまざまな記憶が引っ張り出される。

祖父がいなくなったこと、信じていたがまやかしだったこと、研究室で越したいくつもの夜、幾つもの「あなたには幸せになってほしい」、祖母がいなくなったこと、中学生の頃の日々。

もうつかれたよ、という言葉が脳裏に浮かんだとき、涙がこぼれた。

本気で泣いてしまっては運転ができないので、なるべく目に涙を溜めて我慢する。

バックミラーに映った自分の目がにくまん子さんの描く女の子の表情に似ていて、人って本当にこんな顔をするんだ、と思った。

絵に描かれているということは、こんな顔をする人間が世の中にはそれなりにいる、ということだろう。

 

にくまん子 (@oic_oniku) | Twitter

 

 


ぼんやりした頭で出勤したが、職場の人たちと話しているうちに元気を取り戻す。

1ヶ月ほど前まではこの元気がまやかしなのではないかと疑って過ごしていたが、たのしいならそれでいいか、と思うようになった。

たぶん、何がまやかしかそうではないかとかではなく、職場がたのしくて家がたのしくないというただそれだけだったんだと思う。

長い間、自分のそのときの居場所を否定したくなくて、その代わりに他の沢山のものを否定してきた。

もしできることならばこれからは、なにかやだれかのためになにかやだれかを否定するのではなく、自分のためになにかやだれかを肯定できるようになりたいなと思う。

 

夜、なんだかんだ疲れたらしく、自炊する気力体力が残っていなかったのでピザをデリバリーした。

いまってデリバリーって言わないのか?宅配?

出前館の初回1000円引きのクーポンをつかって、780円でMサイズのピザを買った。

この1000円はどこから発生しているんだろう。こうして我々は無意識に我々同士で搾取しあう。

ピザが届いてテンションがあがり、配達のお兄さんに寒い中ありがとうございますと余計な一言をかけると、それまでずっと手元か地面を見ていたお兄さんがパッと上を向いて目を合わせてくれた。

その瞬間、なんか、なるべく人間扱いしあいたいなと思った。なるべくいろんな人と、お互いに。

上を向いて見えたお兄さんの髪の毛は金髪で、お釣りを渡すのにすこしもたつき、レシートが必要かの確認を丁寧にしてくれた。


あえて口に出してワーイとか言ってたら、意図したものかはわからないけれども、天井からドン!という音が聞こえた。

ごめんて。一緒にピザ食べられたらいいのにね。

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