終わった話

経過した事物

2021.08.20

友人に誘われて、ファミリーレストランで夕飯を食べた。

笑うたびに不繊布のマスクが唇にはりつく違和感を無視してドリンクバーでたむろした。不適切な行いだったかもしれない。

ゲラゲラとした話を一通りした後、孤独とかつての喪失にまつわる話をして、あなたは片腕を失ったんだね、と言われて、そうかもしれない、と思った。

いくら焦ってもすぐに腕は生えてこないこと、もういちど腕が生えてくることはもうないのかもしれないということ、そもそもこの痛みは幻肢痛なのかもしれないということなどを考えては虚しい気持ちになる。

生きている意味なんてないな、と思ってからの人生の方が長い。(友人と話す時間はたのしい。)

 

さみしくて、ねむいと言いながらメッセージを送る時、肉体は既に寝ていた。