終わった話

経過した事物

2022.09.30

有休消化で、一日休み。

コンタクトレンズの定期検診を受けるために眼科に行った。

待合室で、八戸ブックフェスで購入した安達茉莉子さんの『私の生活改善運動 vol.3 −食べることは生きること?−』を読んだ。

安達さんの文章は思考と出来事とが流暢につながっていて、待合の間にするすると読み切ることができた。読み心地がなめらかな文章はいい文章だ。

真っ赤な装丁がかわいく、表紙の紙のざらつきもまた、表皮の指紋が接して位置を固定するのにちょうどよく、読み心地のなめらかさに一役買っているように思った。

発行・印刷・製本の本屋生活綴方さんでは出版する本をリソグラフで印刷しているらしく、ところどころ千切れてもはっきりと存在感を示すやさしい青色の字に、とても安心感があった。すこし斜めに印字されているページもあり、それもおもしろかった。

現代の、いつでもだれでも際限なく液晶上に印字できる文字環境は、なにか物を語るにはちょっと贅沢すぎるのかもしれない。

印字の手段や工程について理解を深めることで、もっと自分が発行する字に責任感を持つようになるかもしれない、と思った。

 

風はつめたいのに日差しがつよくて、運転する太ももが熱されて、午後はすこしうだった。

ショッピングモールには行く気になれず、道の駅で米といちじくを買った。