終わった話

経過した事物

2022.02.11

朝起きて、昨日食べ残したビックマックとポテトとナゲットをホットサンドメーカーで挟んで焼いて食べた。

カリッと熱くなったそれらの塊は食べられないほどのものでもなく、すこしだるくなった胃を抱えてしばらく窓の外を見ていた。

今日は久しぶりに曇りのようで、いつまで待っても部屋の中に陽が入ってこない。
やっておいたほうがいいので掃除をするけど、光がなければ埃も汚れも見えなくて、やっても甲斐がなくてつまらない。

シーツを洗ってコインランドリーで乾かして、帰ってきてからまたしばらくぼうっと天井を見ていた。

 

日差しが夕日に変わる頃、ようやく光があかるくあたたかくなって、散歩をして近所の中華屋で「焼きめし」と表記されたチャーハンを食べた。

店の片隅の本棚に雑然と詰められたある年代のある傾向の漫画群の背表紙を見て、これを読んでここで食べてその人なりに満足のいく昼下がりの時間を過ごした誰かの背中が思い浮かんで、ようやく元気が出た。

店を出たら夕日が傾いて、ちょうど私達の頭上に降り注ぐ角度になっていて、めいっぱい浴びながら家に帰った。

銭湯で人に囲まれて町の潮流を浴びて、家に帰って餃子を包んで焼いて食べて、ビールを飲んだ。

たぶん、ずっとこうしたかったんだな、と思った。