終わった話

経過した事物

2020.11.30

昨日はやはり食べ過ぎたみたいで、目覚めてもお腹が空いていない。

お通じもよくなくて、また今月も体が詰まりはじめたな、と思う。

味噌汁だけ飲んで出勤した。


働いているうちに消化がすすんで体が楽になってくるが、昼ごはんを食べたらまた詰まってしまった。うまくうごいていない。

うまくうごいていない、ということを言葉にして認識することで、うまくうごいていないのか…と無意識下で落ち込んでしまい、よりいっそう体がうまくうごかなくなる。

冷静にパニックになっていくような感じ。

わたしにとって月経期間はサイコホラーだ。


何かした方がいいのではという焦りに惑わされないように退勤即帰宅する。

とにかく眠くて、早めに眠りたい。

お腹が空いてないけれども、何か食べた方がいい。

のだめカンタービレを観てなんとなく時間を経過させるが、一向にお腹が空かないのでとりあえず鍋を作る。

土鍋に水600ml、出汁の素適量、沸かして根菜から切って入れていき、冷蔵庫にきのこ類が転がっていればそれも入れ、最後にネギと白菜を入れて蓋をして塩をして煮込む。

冷凍していたブラジル産のグラム78円の肉を半解凍状態で放り込むとスープが濁り、ややあってアクが固まって油が浮いて色が透明になって、おいしい鍋ができた。

冷蔵庫のなかでヨレてしまったきのこから出汁がよくでているし、安い肉から出たアクと油がよい旨味になっている。

神々しいな、と思った。

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眠る前にのだめの影響でクラシック音楽を聴いていたら、ピアノを習っていた幼少期の記憶が芋づる式にズルズル引っ張り出されてまたブチパニックになってしまった。

卒業後はあえて思い出すこともなかった母校の小学校の間取り、タイルが緑で古くなっていたこと、男女兼用トイレ、体育館横のスロープが大きくて角度が急でそこでよく学童の友だちと山登りごっこをしていたこと、友だちと反対側の登校区に住んでいたから帰り道はいつも1人だったこと、鍵を預けられていて家に帰っても誰もいなかったこと、レッスンの日は決まって母に車で送ってもらっていた、あのとき母は仕事を休んでいたということだよな、どういう気持ちだったんだろう。

わーーーっと思い出し、ワーーーッと飛び起きる。

 

いま自分がここにいることを不思議に感じる。

普段は奥底にしまわれているけれども、あの頃の記憶はたしかにあって、あのころ感じていた寂しさや苦しさもあって、でもいまはあまり思い出すことがない。

いまの私はそれとは別の悩みについて考えて生きている。

自分で部屋を借りて生まれ育った場所ではない土地で仕事をして生活している。

あれ?なんでここにいる?なんでこうなった?存在って同一ですか?いまの私ってなに?

なんで指がついている?なんで自分の意思で動く?

え、この肉体と意識が不快なんですけど、この世からいなくなったほうがよくない?


こうなってようやく、あ、パニックだ、と気づく。

よくあることで、よくあってほしくないこと。

お湯を飲んだり本を読んだりしてやりすごす。

うまく意識をそらせれば眠れるが、大抵は複雑な夢を見る。

自分の体も自分の脳も夜も朝も全部こわい。